ルーツ・オブ・欽ちゃんキック

 
 今や三沢光晴の代名詞ともなっている欽ちゃんきっく。初めてみた人は眩暈にも似た驚きをしてしまうだろう。けどもこの技が凄いのはこれだけレスラーが増えて、試合数も増えているにも関らず誰にも真似されていないという事だ。これはプロレス界では稀有な出来事だろう。これだけでもこの欽ちゃんキックが凄いというのがわかる。

 そして今回は私のわかる範囲で三沢の欽ちゃんキックは何が元になっているのか?というのを書いてみたい。ずばり!欽ちゃんキックは空手の技なのである。DDTが古武道の技同様欽ちゃんも日本の格闘技から取り出された技なのである。しかし空手といってもいろいろな流派がある。極真会館正道会館、はたまたプロレスファンにはなじみのある誠心会館・・・・・・結論からいえばどれでもない。じゃあどこなのだ?ととわれれば士道館なのだと答える。士道館といえば藤原喜明と抗争をした村上竜司が有名なのだが、欽ちゃんキックを辿るとここにたどり着くことになる。

 当時タイガーマスクとしてデビューする事になった三沢はジャイアント馬場の進め(?)で空手のけりを習得するべく士道館に体験入門させられたと考えられる。私がこれを知ることになるのは昔週刊ゴングの増刊号のタイガーマスク特集に載っていた一枚の写真でそこにはミットを持った空手家がいて、そこに三沢光晴が欽ちゃんキックを打ち込んでいる写真があり、キャプションにはしっかりと士道館でと書かれていたのである。ということは三沢光晴の欽ちゃんキックのルーツが士道館であるというのは間違いの無い事実なのではないだろうか。ちなみに記事によれば川田利明も同行していたみたいなので、川田の蹴りも士道館で基礎が築かれたと推測も出来る。

 それから20年あまりいまだに使いつづけ、しっかりと自己のアイデンディティーにまで昇華された欽ちゃんキック。まったく中西学天山広吉も団体から無理強いされて格闘技を習わされたのだろうが、ここは三沢さんをならって使い続けてみてはどうろだろうか?継続は力也。



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