イニシエーション・プロレスリング

 土曜深夜のテレビ東京でやっている70年代濃厚カンフーナイツは映画が好きならば見逃せない内容だろう。今夜は『片腕カンフーVS空飛ぶギロチン』ということで期待できる。先週放送されたのは『燃える四天王』で怪しさ満点。特に素晴しいのは胡乱な日本人格闘家でまず取り巻き4人は虚無僧チックな網をかぶっているけども、下の服装はノースリーブで『北斗の拳』のケンシロウ。しかもそれをかぶりながら戦います。そしてそれを従える日本人格闘家(何故か名前がチンさん)がその4人を遥かに超えるインパクトを残しています。格好は『うる星やつら』の面堂チックなまず白尽くめで、髪型はキングコングのボケの方のような感じ。そして登場時にはほぼ必ず尺八を模したような曲が流れ(しかも耳障り)戦闘をはじめるときには必ずもっていた扇子を中心から引きちぎってからはじめるという、今では絶対に作れないような日本人キャラが印象的だった。ただ思うにはっきりいえば主役の四人はこいつに食われてしまっているといっても過言ではない。それは映画的にはどーなんだ?と思わざるえないが・・・・・・。


 所で大槻ケンジがプロレス・格闘技関係で本を出したのを知っているだろうか?『プロレス・格闘技世紀の大凡戦!』というもので、まあ・・・・・・ラジャ・ライオンVSジャイアント馬場とか、長州力VSトム・マギーとかそういう試合を取り上げた本といえばマニアな方ならば、ああそういう方向の〜と納得してくれると思う。

 そこで新発見だったのは三沢光晴VS小橋建太は大凡戦だったという中田潤氏のコラムだった。そこではノアヲタからすれば信じられないような外部からの四天王プロレスへの辛辣なツッコミが書かれている。「なぜレフリーはそれまで何度も寸止めでカウントをとめていたのに、最後はちゃんと3を入れたのだろうか?」「なぜスリーパーを極められているはずなのにタイツを直しているのだろうか?」「なぜ中盤ダウンしていたのに最後あれだけ動けるだろうか」・・・・・・如何に自分がプロレス村の住民でかなり深くプロレスのコードが染み込んでいるかがわかったような気がした。確かにいわれるとおり、四天王プロレスは構成的には狂っている。それはWWEを見ればわかるけれども本当に滅茶苦茶だと思う。カウントに関してはこれは和田恭平と選手の厚い信頼関係がないと絶対にできない2.99999カウントとして評価しているのだが、世間的にはそうは思えないらしい。

 たいしたオチも考えずに書きなぐってしまったが、考えるに四天王プロレスという網の目の粗いふるいがあったからこそ、ノアを熱狂的に愛するノアヲタが誕生したのではないかと思う。世間には到底理解できないスタイルであればあるだけ、それを支持する数は減るが温度は高いというわけだろう。


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