対立なき対立

 最近ワールドカップ関連でサッカーが盛り上がってきたけども、あの盛り上がりをみるとなぜだか筒井康隆の『東海道戦争』を思いだす。みんなああいうビックイヴェントを待っていたんじゃないのかしらね?プロ野球なんかは狭い日本列島で12も派閥を分けて応援しあっているのだから、国というひとくくりでカテゴライズされるサッカーにくらべたら、どうしても熱が下がっても当然なのだと思う。あと関係ないけどもうそろそろいんじゃないかい?巨人中継の延長。はっきりいえば地上波で全部みようだなんておこがましいんだよね。全部見たければ金払えと。非野球ファンに迷惑かけるなと・・・10点も差が開いたゲームを延長していると、応用利かない馬鹿バイト店員を思いだす。

 
 毎度おなじみnoah中継診断。

秋山準 ○小橋健太 三沢光晴−橋誠× KENTA 丸藤正道 
29分28秒 剛腕ラリアット→体固め

 丸藤のアームドラッグを受けるのに失敗した三沢の衰えぶりになえる。けれどもこの試合を見るといかにノアという団体は一元的な世界観の上に立っているのだなと思う。一応プロレスというのは闘争を表象しているはずなのだが・・・。新日本プロレスならば三沢組の方は絶対呉越同舟的なギミックを差し込んで試合のアクセントにしている筈。しかしファンもぜんぜん違和感なくタッグチームを受け入れている。戦いを求めつつしかし平和的で牧歌的なものを嗜好する。プロレスが野蛮だという人はまずノアを見てから言ってほしいものである。そして対立がなくても対立が成立する不思議な調和空間があるという驚きを感じ取ってほしい。


 ○ 森嶋猛 モハメド・ヨネ 力皇 VS  バイソン・スミス 井上雅夫× 斎藤章利
16分33秒 ラリアット→片エビ固め

 GHCの為であり、それ以上でも以下でもないしあい。勿論力皇と斉藤はゴツゴツとした打撃合戦を繰り広げていたのが、それもそれ以上でも以下でもない。オーラが無いといえば元も子のないけど事実、そうとしか感じられなかった。これがGHC挑戦者決定戦の前哨戦ならば合点がいく。これが本当に武道館のメインで行われるのかと思うと恐ろしいものがある。
はっきりいえば彼らの打撃戦にしても文脈も彼らの闘争の歴史も無いから、結局その打撃から色々喚起されるはずのコノテーションを感じる事ができなかったのが、私的にぜんぜん面白くないと思わせる最大の原因だと思う。まあアンダーで梃入れしているが客足は伸びなさそうだ。

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