散り際は美しく、そして過度に。

 ○[王者]小橋建太 対 ×[挑戦者]鈴木みのる(25分22秒:豪腕ラリアット→片エビ固め)

 UWFが記号と化し、単なるレガースを履いてまわし蹴りをするレスラーになって久しく、新日本とNOAHとのスタイルの同一化が見られる昨今、みのると小橋の絡みをみると久々に全日本と新日本の見えないが確実に存在する厚い壁というのを感じた。そういえば彼らのデビューは88年、文体で猪木が長州力の肩車をされてたり、鶴龍が凌ぎを削っていた事だったか・・・(ってその頃は全然みておらず大洋ホエールズファンでしたぁ)

 カール・ゴッチビル・ロビンソン(多分)が見せたくるりと相手をでんぐり返しの要領でひっくりかえして肩をつける固め技を上手く食らえ得ない小橋。普段なら下手やな〜としか思えないムーヴもこの歴史的文脈を加味してみると、くすぐられる場面になるから面白い。

 秋山準は小橋の世界だったといっているが私から見れば鈴木みのる劇場だったと思う。プロレス場合スタイルの幅が狭い方に多いものが迎合的にあわせなければならない場合もあるが、この試合は典型的にそのパターンに嵌ると思う。それにしてもあのスリーパー奈落はバンプの取れない鈴木とどうしても奈落スポットを入れたいNOAHの苦しい折衷作だったんろうなと考えると、少し口元が緩んでしまう。

 フィニッシュムーヴは佐々木健介戦の同工異曲という感じで、どうしてもあのラストの鈴木の動きはナルシスティクで鼻につく。男は競ってこそ華、負けて落ちれば泥。みのるがくずれおちる場所には是非とも泥を用意してもらいたい。

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