ニヒリズムの果てに
アルティメット・ロワイヤル(U・Cルールバトルロイヤル) 永田裕志、成瀬昌由、ブルー・ウルフ、矢野通、中西学、長井満也、ロン・ウォーターマン、ドルゴルスレン・スミヤバザル
とりあえずTVで見た。あのカードで足を会場に運べるほどブルジョアではないので・・・。
確かに凄惨な生き残りをかけた殺し合いだったと思う。ただ殺されたのは選手ではなく、選手の持ち味だったが。
せっかくの格闘技故に何か大晦日に関したスポットを組むのかと思っていたが残念ながらそのようなものは無かった。というよりも出来なかったのだろうと思う。それは技術的な意味ではなく空間的物理的な意味で。
戦前はこうポジティブに解釈していた。この面子では技術が稚拙で高等なスポットも組めそうにも無いので、同時多発的に行う事によって接触等のハプニングという新しい見せ場を有機的につなげていってその妙で見せていくのではないだろうかと。
しかし結果は単に視点が定まらないちゃかちゃかした内容になってしまった。テレビだからまだスイッチャーさんが選択した映像を見るという限定性を与えられたことによって何とか見れたが、あれが実際会場に行った客はさらに混乱をきたしてしまったと思う。その証拠に歓声らしき歓声がほとんど聞こえず静謐な会場になっていた。
ただ考えたら軸になる選手がいないからこそ”奇抜”さだけしかないような試合形式を選んだ苦心というのもわかるような気がする。しかし個性を殺す以外の何ものでもないこのリングから人気選手は産まれないだろう。