NOAH大阪大会について

 ここ数周間振りかえってみると最近殆どNOAHに関しては誉めコメントばかりである。面白いのだから仕方ない。こんな面白い団体があるのかと思う時がある。いや皮肉じゃなくって本気でそう思う。NOAHを面白がれ無いのは恐らく楽しみ方を間違っているのだと思う。ブルース・リーが「燃えよドラゴン」においてサモハン・キンポーを相手にスパーをこなしたあと「考えるんじゃない、感じるんだ。」という有名なセリフを喋るのだが、NOAHを楽しむのならば「感じるんじゃない、考えるんだ」という転回を必要とする。NOAHはいわばミステリ小説のようなロジカルな説得力により快感を感じ楽しむ団体なのだと私は思う。


小橋V11、メジャー王座新記録/ノア

<ノア:大阪大会>◇24日◇大阪府立体育会館◇5200人

 GHCヘビー王者小橋建太(37)がV11の金字塔を打ち立てた。24日のノア大阪大会で、挑戦者斎藤彰俊を28分55秒、リアルブレーンバスターで退けた。エプロンに背中を打ちつけられる超危険なブレーンバスターにも奇跡的な回復力で克服。これまでの防衛戦で倒してきた強敵たちの技を披露し、王者の力を誇示した。現存する主要王座では新日本永田裕志のIWGP記録(10回)を抜き去り、メジャー王座防衛記録で単独トップに立った。


 一口のV11と言ってもこれだけ観客の移り変わりが激しい中で、王者を変えず王座戦を行ない或る程度の説得力を持って収めるというのは物凄い事である。しかもNOAHのほぼ外敵に頼らず乏しいヘビー級選手の中で、確かに一回は新日本プロレスのお返しを利用したが決して層が厚くないNOAHヘビーの選手だけで挑戦者を立てそれをこなすというのは奇蹟的な事なのだ。

 GHCというと毎回毎回繰り広げられる地方における失神劇でマンネリと言われるのだが、それには大きな意味がある。その毎回の失神劇こそ挑戦者を匿名性の闇で覆い隠し、挑戦者として不足と思えるような選手でさえシリーズ終盤戦では挑戦者に相応しい人材に見えてくるシステムなのだ。そのシステムにより小橋のV11はNOAHのような純血主義のような団体においても可能だったのである。こう考えると滅茶苦茶一縷の隙の無いロジカル且つプラグマティックなプロレスである。恐ろしやGHC!。


三沢組はGHCタッグ最多のV6/ノア

<ノア:大阪大会>◇24日◇大阪府立体育会館◇5200人

 GHCタッグ王者の三沢光晴(42)小川良成(37)組が、初公開の荒技で同王座最多の6度目の防衛に成功した。挑戦者の田上明(43)佐野巧真(39)組と対戦。GHC初戴冠を狙った田上のパワフルな攻撃に苦戦したが、最後は初の雪崩式エメラルドフロウジョンで佐野を仕留めた。これで秋山、斎藤組のV5を抜く新記録のV6を樹立した。


 GHCタッグは非常に詰らない。これはロートル選手が身体が動かなくても上で活躍出来るように設立されたベルトなのではないかと……そんな心無い揶揄さえも聞こえてくるが、そんな人は全くこのベルトの存在価値を判ってないのである。この試合は離れてみないといけないのだ。もっともっと離れて……興行を俯瞰するような感じで見ると驚く程明解な存在意義が浮かび上がってくるのである。そう、この王座戦の意義はメインに備えたクールダウンを目的とした試合なのである。試合が面白いわけがない。なんせ試合を面白く見せようと志向してないのだから。しかしそのお陰でフラストレーションを溜めた状態でメインを迎え楽しく観れるのである。試合の中には点ではなく線でみないと本質が見えない場合があるのだ。


Jrは金丸がV2!長期政権だ/ノア
<ノア:大阪大会>◇24日◇大阪府立体育会館◇5200人

 GHCジュニア王者金丸義信が2度目の防衛に成功した。初参戦したTAKAみちのくと対戦。WWFでも活躍したTAKAのジャストフェースロックで再三絞め上げられた。大苦戦を強いられたが、最後は垂直落下式ブレーンバスター連発で振り切った。


 この世はあらゆる物事でボーダーレス化が進んでいる。無論マット界もボーダレス化が進みメジャーとインディーという線引きは今や曖昧こもの状態でおぼろげである。しかしNOAHはその失われたボーダーラインを確りと引く。NOAHがインディー出身者に厳しいのはそうやって差別する事により我等ノアヲタの中に排他的な心情を焚付け、それを試合のパッションとして機能させる事にあるのだ。邪道外道が横浜文体に来た時その機能が最大限に発揮された試合を観たが、そういう優越感というか差別心もプロレスには必要なのである。勿論それを計算してし込むNOAHというのは矢っ張り凄い団体なのである。


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雑感

 テレビの話

ラテ欄は陥穽に満ちている。大言壮語な謳い文句に敢えて騙されようとテレビを見ているシニカルなテレビkっ子も少なくはないだろう。躍るさんまのラテ欄を読んだら「▽おまえら日本一キモイ貴方は知っていますか(秘)今一番ヤバイ芸人!!アンガールズが登場でさんま歓喜▽噂の金メダリストに恋人 」 そして金メダリストは誰だろうと検索したら、岩崎恭子, ビビる大木, あき竹城, 黒沢年雄, 友近, 明石家さんまというわけで何年前やねん!と渡辺徹風に関西弁で突っ込んでみたが、視聴者のアテネであろうという先入観を利用した仕掛だろう。にしてもアンガールズとさんまの絡みは一寸楽しみ。

にしても「ドラゴン&ボールアワー 」は番組名が先に決まったのかドランクドラゴンフットボールアワーの共演が先に決まったのか微妙な所だ。「めだか」は全然興味も沸かないが東スポ読者ならばミムラ, 原田泰造, 瑛太, 須藤理彩, 泉谷しげるの出演リストに異変が起こる事を期待してはないだろうか。あれ?あの人どうしたんだろう?みたいな。あれあぶない刑事の木の実ナナの字幕消えてますよ?みたいな……。

 野球の話

西武が中日を下し優勝した。落合は初年度にしては上出来というか意外過ぎる。これで日本一になっていたらそれで勝ち逃げして隠れCM王の星野仙一みたくなれたかもしれないのに。それにしても新潟では大地震で困っている人が多数いるわけだが、ビールかけは欠かせないのですね……楽しそうですね……。

 予想もしなかった話

くりぃむしちゅーがここまで売れるとは思わなかった。邪悪なお兄さんと呼ばれていた頃から見ているけど今やネプチューンを超える活躍。お笑いの場合急速に売れるよりかはじわりじわりと売れる方が残るという感じだろうか。波田陽区とか長井秀和とかキャチフレーズが受けて売れた芸人さんは来年の今頃には消えてそうだ。