7・18東京ドーム観戦記

 満員の東京ドームか……何もかも懐かしい(沖田艦長風)。冗談抜きに1・4&5・14の新日本プロレスドーム大会の動員客を足しても、今日のNOAHのドーム大会の動員数に及ばないのではないか?と思わせる入り。そんなのを見せられると90年代前半の新日本ドームもこんなん”だった”のに……と思い出す。

 試合前にムシキンイベントが行なわれるが、客はいい大人ばかりなので反応はいまいち。いたたまれない空気になったところで三沢さんのリーヴの宣伝が流されたりごちゃごちゃありながらも、定刻通り始まった。

▽第1試合 30分1本勝負 青柳政司 杉浦貴 ○SUWA 9分32秒  体固め 菊地毅× 百田光雄 中嶋勝彦

 一人張りきる中嶋青年。やはりフリーで生きてきた分モチベーションや試合に対するいきごみが、所属レスラーと雲泥の差なのだろう。一人テンションが高くて浮いていたような気がする。前も書いたが中嶋の蹴りは十分オリジナリティーがあって、金が取れるもんだと思う。

▽第2試合 30分1本勝負
○モハメドヨネ 森嶋猛 8分26秒  片エビ固め 本田多聞 潮崎豪×

 塩崎を通して攻防が描かれていた。まあ単に他のレスラーが技を受けないだけなのだが。多聞は直に技をかけるか受けるかでしか試合にコミット出来なくなっているのが見ていて悲しくなってきた。


▽第3試合 30分1本勝負
田上明 佐野巧真×泉田純 永源遥 11分56秒首固め 斎藤彰俊 越中詩郎 井上雅央○ 川畑輝鎮

 ケツの盛りあがりぶりに驚く。木戸修の札幌限定人気と同類の人気だと思うが。会場を暖めるという意味では意味と価値がある一戦だったといえよう。最後のフィニッシュのインチキ臭さは雅夫らしくってGOOD。


▽第4試合 ムシキング・テリーデビュー戦(30分1本勝負)
ムシキング・テリー 7分59秒ミストクラッシュ ブラックマスク×

 プロレスの楽しさが子供達の届くのか?試合前の前振りはまんまハッスルのハッスル仮面ののり。果たしてムシキン応援シートが外野なので子供が楽しんでいるのかどうかわかりにくかったのだが、いざ試合が始まるとテリーが攻めていようが攻められていようが、テリーが動く限り声援を送る子供達。ムシキング作戦はとりあえず成功のようだが、考えてみればテリーが動くこと自体に子供が喜んでいるという事ではないだろうか?ここからプロレスが面白いと思えるように以降させるのは結構なハードルの高さがあるのでは?


▽第5試合 GHCジュニアヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
×金丸義信(王者) 20分31秒  エビ固め KENTA○(挑戦者)

 序盤腕殺しで試合を組みたてるKENTA。腕殺しがどんな伏線を含んでいるのかな?と考えて観戦したが、終盤には響かず。結局は大技乱発の金丸の試合となったわけだが、NOAHファンの心にはこの手の試合が一番届くようだ。矢っ張り金丸は自分に琴線には触れない選手だ。


▽第6試合 GHCタッグ選手権試合(60分1本勝負)
鈴木みのる ○丸藤正道(王者組) 24分55秒  片エビ固め 秋山準 橋誠×(挑戦者組)

 橋は頭にテープを巻いて入場。これがいい特別感を加茂氏だし良い効果を生んだ。試合の7割は橋が受けていた。折角橋が攻められているのに秋山が微動だせず。橋が攻められているところで叱咤などすれば橋の悲壮感により一掃深みが加えられたと思ったのだが。個人的には丸藤あたりがジョブるとおもってみていたのだけれども、壁は厚かったようだ。


▽第7試合 GHCヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
力皇猛(王者) 17分11秒  片エビ固め 棚橋弘至×(挑戦者)

 私の事前の予想としては、何時ぞやのボブ・サップVS中西学戦のように棚橋が力の力強さを引き出して好試合に仕立ててくれるのだと思っていたが、流石にゲストとして呼ばれた身でその役割はないか。棚橋だけに力皇相手でもそれほどボロを出さずにこなせているのは流石といえる。ただ感想はといえば斎藤戦のような唐突感のある終わり方。私自身何故こんな駄目なのかと分析した結果導きだした答えは……観客の心とのシンクロ率の低さ。『エヴァンゲリオン』ではないが観客の期待と力皇のズレというのは致命的。
 もう少し判り易い例えでいえば、四コマ漫画で3コマ目が抜け落ちていきなり4コマ目のオチに至ってしまっているような感じ。
 ようするに観客の気持ちが高まる前にフィニッシュを向かえてしまうのだ。もしかしたら力皇自体は3コマ目に該当するムーヴや技を繰り出しているのだと思うのだが、観客の意識は2コマ目で留まってしまっているのと思う。だからこれから力皇は3コマ目に該当するわかりやすいフィニッシュに至るムーヴを防衛を重ねる度に練り上げて定着化させなければならないのではないだうか・


▽第8試合 時間無制限1本勝負 ×小川良成 10分27秒  体固め 天龍源一郎

 私の予想と反してこの試合における小川のバックドロップは全然重いポジションには置かれてなったみたいだ。二人の沿革を考えたらもう少し厚みのある試合内容に出来た筈だが、WARスペシャルのかけあいぐらいに留まったようだ。もう少し天龍が若かったら、違った展開がまっていたかもしれない。


▽第9試合 時間無制限1本勝負
小橋建太 23分38秒体固め 佐々木健介×

 日本人のヘビー級レスラーでパワー対決と名うって名前負けしないだけの体を持っているのは、今の現状は考えたら驚異的な事だと思う。
 体を張った試合にはなると予想していたけども、二人のやりとりは自分の想像力は遥かに凌駕したもだった。いかに狂った打撃戦したかは日刊を引用すると……「小橋の逆水平4発が口火だった。お互いに34発ずつの逆水平を打ち合う。小橋の速射砲14連発。佐々木も10連発。小橋が29連発。佐々木は18連発。さらに20発以上を胸元にたたきつけ合った。」こんな感じで、過剰過ぎて最初は驚きだったが後に笑いに転じた。流石にここまでされれば笑いに転じざるえないが二人が凄いのは更に果てなく行ない笑いを驚愕に導いた事だ。そこから投げ技に移行、健介がストラングルホールドを出していたが観客は余り沸かず。固め技が全然観客に信頼されていないのだなと改めて思う。まあ四天王プロレスといえばそれまでなのだが、チョップにおいて良い意味で裏切られたので好感が持てる試合だと私は思う。


▽第10試合 時間無制限1本勝負
三沢光晴 27分4秒片エビ固め 川田利明×

 スターウォーズも完結を迎えた2005年7月。川田三沢も完結する時期なのではないだろうかと思わせる試合内容だった。彼等は四天王プロレスをやりきった。しかもムーヴはどれもこれも過去幾度の試合で見せてきたムーヴばかりだ。勿論彼等のキャリアを考えたら違った試合をする事も可能だったろうが、四天王プロレスを選択した。少なくとも今日の試合を見る限り進化・変化は見られなかった。これは四天王プロレスを追及する限りはデッドロックに陥ってしまうという事だといえよう。そして四天王プロレスをする限りでは、矢張り体が動けていた昔の試合には敵わないという事を思い知らされた。ここにおいて三沢川田の四天王プロレスは終焉を迎えたといっても過言ではないだろう。しかし前にも書いたように今日、この衰退した四天王プロレスがあるからこそあの頃が凄かったと思えるのではないだろうか?あの一瞬の花火が輝しく、凄かったと思えるのは終わりがあるからこそである。何か1つの祭り、時代が終わったような気がする。川田は再戦を要求しているが、私としてはもうこれ以上は止めて欲しいと思う。


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<新日本:北海道大会>◇18日◇月寒グリーンドーム◇3500人

▽IWGPジュニアタッグ選手権
○稔、後藤洋央紀(王者組)[23分51秒 腕ひしぎ逆十字固め]×エル・サムライ金本浩二(挑戦者組)

▽IWGPジュニアヘビー級選手権
タイガーマスク(王者)[15分54秒 猛虎原爆固め]×ディック東郷(挑戦者)

中西学ケンドー・カシン永田裕志[15分41秒 片エビ固め]中邑真輔吉江豊、×飯塚高史

藤波辰爾西村修[11分8秒 後方回転エビ固め]ウォーターマン、×蝶野正洋

▽IWGPヘビー級選手権試合
藤田和之(挑戦者)[13分59秒 片エビ固め]×天山広吉(王者)

 裏7・18はこの通り。藤田を王者に仕立てた新日本は何処へ?

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主なイベントの試合カードや試合結果がわかるように直リンを張っておきます。アレどうだったっけ?という時にお役立てください。

▽ノアドーム大会全カード
http://d.hatena.ne.jp/paris00/20050702

▽ 2005年7月6日 HERO'S 2試合結果
http://d.hatena.ne.jp/paris00/20050706

▽ 2005年7月13 ハッスル10
http://d.hatena.ne.jp/paris00/20050713

▽ 2005年7月15 ハッスル11
http://d.hatena.ne.jp/paris00/20050715